2005年05月19日

飲み屋の作り方[05] --図面と物探しの巻--

■9月上旬:十数年ぶりにまるで課題のように図面を引く

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 アヤに物件のサイズを測ってもらって、FAXでうちに送ってもらう。それを元にうちの相方がCADで白図を起こし、それをコピーしていくつか案を書き込んでいく。これをlove the lifeの勝野さんに送り、アドバイスをいただこうという腹。
 勝野さんは店舗を中心に内装デザインから食器・小物の提案まで幅広いお仕事をされている。アヤの学生時代の恩師であり、渋谷ごち時代からのお付き合いということに甘えて、忙しい中お時間を割いていただくことに。

 勝野さんとの打ち合わせ当日、早めにアヤと合流、高円寺のミスドで仮図面を検討する。
 案は2つ。カウンターをL型に置き、ベランダ側にテーブル席を2つ設置するプランAと、入口から向かって右寄りに長いI型カウンターを置き、左側の壁ぎわにテーブル席を作るプランB。

 プランAのいいところはグループのお客さんも座れる席が作れそうな所。
 しかしキッチン内には、ざっと挙げるだけでも
  ・コールドテーブル(高さ80cmほどの冷蔵庫)
  ・2槽もしくは3槽のステンレスシンク
  ・ガス台
  ・電子レンジ
  ・炊飯器
  ・製氷機
  ・生ビールサーバー
  ・手洗いシンク(陶器製の手洗い専用の流し。保健所の規定で、厨房入口
   には必ずこれがなければいけない。しかし3槽のステンレスシンクで、
   1つを手洗い専用ということで規定をクリアしている店もある)
  ・ゴミ箱
  ・食器棚など収納家具
 などなどを収めなければならない。
 プランAではこれらの配置が難しく、自分達の動線がイマイチなのが難点。かなり強引な形か。
 
 その点プランBはキッチンへの出入りがしやすく、自分達が動きやすくなる。反面、席数が減ってグループのお客さんに対応しづらくなる。
 高円寺という土地柄と店の規模を考えると、カウンターメインのプランBの方がいいかも知れないが…
 love the lifeのお二人に連れられて、たまプラーザの『simpatica』へ。
 ここはlove the lifeさんが内装デザインしたお店。美味しいスペイン料理をたらふくいただきつつ談笑していたら普通にくつろいでしまって、うっかり本来の仕事を忘れかけてしまうが、食事が一息ついたところで恐る恐る仮図面のスケッチを広げる。
 勝野さんは色鉛筆を取り出し、あたし達が描いた図の上にぐいぐい書き込みながらいくつもの的確なアドバイスをし、最終的にはやはり、プランBの方がいいかも知れないね、とおっしゃった。
 また、不動産屋か区役所でビルの図面をもらった方がいいとのこと。早速入手します。
 
 一通り打ち合わせが終わったあと、あたし達の話を聞いたsimpaticaのオーナーさんが快くキッチン内を見せて下さり、実際のサイズなどが見れてとても参考になった。
 次回はlove the lifeの事務所で打ち合わせることになり、それまでにもっと大きな縮尺で改めて平面図・立面図4枚、照明計画を記入した天井伏図を引いて来るように、と言われる。さすが元講師、まるで学校の課題みたいだ。
 さらに、次回までに照明器具や素材などのカタログを用意しておくとまで言ってくださった。
 飲食店を多数手掛けているプロにちょっとアドバイスをいただければ、というつもりだったのだけど、すっかりサポートしていただくことになってしまった。

 アヤ、果実酒仕込み開始。食品衛生責任者資格試験の申し込み。
 ハヅ、引き継ぎに向け深夜まで残業の日々。


■9月中旬:物資手配開始--そして難航

 さて、内装はカウンターメインということに決まった。
 そうなるとやっぱり、カウンター天板の素材にはこだわりたい。
 手触りが良くて、しかも味のある板。あたしは是非とも、チークの古材を使いたかった。当時勤めていた店に古材チークの端材があって、この感触がもう、たまらないのす。ザックリとした表面なのに、ワックスをひいたような滑らかな手触りでずっと撫でていたくなる。
 しかし、古材チークは高い上に希少。端材をタイルみたいに使うということも考えてみたけど、やっぱできれば一枚板、それが無理なら2枚継ぎくらいのものが理想だ。
 というわけで、バリ家具屋勤めの立場を利用して、新しい板にサンドブラスト加工(砂を機械で吹き付けて表面を自然な感じに削る加工)をしたものが入手できないか、とまたしても昼休み中の社長に打診してみた。
 思いのほかあっさり承諾を得たが、特注になるので、まずは現地に価格を問い合わせなければならない。
 簡単な絵を描き、希望サイズと枚数を書き込んで現地に見積り依頼のFAXを送った。

 あたしの方は仕事が詰まって動けないため、勝野さんに指示された新たな図面はアヤに描いてもらう。
 休みの日はできる限りアヤと厨房機器や食器や素材を探して歩き、打ち合わせを重ねる。
 まず行ったのは新宿のテンポス。飲食店を始めるならまず行け!という、都内随一の規模の中古厨房機器店。新品もかなりの安価で揃うし、椅子や看板、器なども扱っている。ま、ものによっては100均の方が安く入手できるので油断できないのだが。

 今日はただ価格を確認するために来たつもりだったんだけど、前々から憧れていた古い型の徳利とお猪口がものすごく安く出ていた。中古品は買われてしまったらもう同じものには出会えない。

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 どうしても欲しくて、今日はこれだけ購入。日本酒を置くかどうか、まだはっきり決めていなかったんだけど、これで確定だな。
 しかしテンポスに最も期待していた冷蔵庫や製氷機などの大型機器が見つからない。いや、ごまんと置いてあるんだけどどれもデカすぎ。おっコレは!というものは既に誰かが手を付けていて、同規模の店を始めようとしている人の多さを実感する。
 やっぱ地方の大型店舗も見てみないとダメだな。とにかく調べてリストアップしておこう。

 ところで営業時間だけど、ランチやって一回閉めて、夜がメインという方向で検討中。体キツイと思うけど、やっぱランチはやりたい。無理かなぁ。
 …と、友達のまりちゃんに相談したら、
「キツイよ。最初からやることないんじゃない?後からでもできるからさ。やってたのを途中で止めるよりは、やってなかったのを始める方がいいよ」
 と忠告される。
 確かに、これには深く納得。
 彼女は以前、彼女の姉と始めた店でランチと夜の二毛作営業をしていた。
 その店はあたしも手伝っていたのだけど、夕方あたしが出勤すると2人ともぐったりと昼寝していたのを覚えている。そういや体調が崩れて毎日微熱が出て下がらない、とも言ってたなぁ。
 無理をしても長く続けられないからな。
 
 新宿に行った折、ミシンを購入。
 実はこれは、母から「自分で欲しいもの選んだ方がいいんでしょ」と現金で受取っていた誕生日プレゼント。ここで使わせていただきます。
 しかしこれはうちには来ない。コースターなどなどを縫うアヤの家に運び込むため、同店の高円寺店からアヤが直接受取れるよう、手配してもらう。
 
 9月末になってもバリに送った板の見積りが届かない。3ヶ月前には注文しておかないと間に合わないんだけどなぁ…
 最後の出勤日、社長に「見積りが出次第ご連絡下さい」と念入りにお願いして、約3年お世話になった家具店を後にした。


hazu
posted by 高円寺ごち:営業時間19時〜3時/杉並区高円寺北2-7-13高円寺銀座ビル3F右/03-3338-7077 at 06:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 開店記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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