
これがごちデザインの方向性を決定づけた、最初のアイテム。
物件を決めて、施工をお願いする工務店さんも決まった。次は図面をひ
いて、必要なものを探して、手配するものはして…と、どんどん具体的
に決めなければならなくなって来たのに、どうも内装の方向性の決め手
に欠けていて、私達2人とも、出来上がった空間をうまいこと想像できず
にいた。
特に照明は空間の雰囲気を左右する重要なアイテム。
当初、天井から釣り下げるタイプのランプを考えていたものの、2人とも
どうもしっくり来ていなかった。
とにかくいろいろ見ようと闇雲にいろんなところを探しまわり、何度も
同じような話し合いを重ねた。
やっぱり、どこでもいくつでも手に入る新品はどうも私達の気持ちに馴染
まない。かと言って、バリバリ昭和初期の和もの、とか、思いっきりアジ
アン、とかいうのも何か違う。こう、いい感じに使い込まれた、しかも時
代や国籍が限定されない雰囲気のもの…という、説明しがたい希望だけは
共通しているものの、「じゃあこういうのは?」と提示できるような品も
見つからずに、早くも煮詰まり始めていた。
そんな時、友達に紹介してもらった骨董やさんを訪ねたところ、そこは
宝の山!
魅力的な品々が雑然と積まれている中に、これとよく似たランプがあった。
主人の松澤さんに尋ねると「それは頼まれて作ったものだから売れないん
だけど、同じ型のライトはまた手に入ると思うから、作れると思うよ」と
のこと。
2人とも一目で気に入って、その場で2コ注文。
骨董品だから全く同じものは作れないよ、と言われるが、そんなこと構わ
ない。松澤さんなら絶対いいもの作ってくれる、という確信があった。
その日、松澤さんの店に行くまでは、なんだか今日も空振りか…なんて
ちょっと疲れた空気だったのが、いいものと出会えたお陰で、たまたま
見かけたお祭りに思わず立ち寄ってしまうほど、一気に足取りが軽くなっ
たのだった。
hazu